先日購入したThermolab BARAMですが、何とかテストも完了しました。
残念ながらUltra-120 eXtreme等の競合する製品は持っていないので、
今まで使っていたANDY SAMURAI MASTERとの比較になります。
トップフロー vs サイドフロー。
異なる性格の二者ですが、トップフローからの乗り換えを検討している人には、
参考になる…かもしれません。

まずはテスト環境から。
Test bed |
---|
CPU | Core 2 Quad Q9650 4.0GHz@1.296V(CPU-Z) |
Thermal paste | GELID GC1 |
M/B | GIGABYTE GA-EP45-UD3R |
Memory | Corsair TWIN2X2048-8500C5D |
Methods | OCCT+BOINC(SETI@home AP5.03 w/ opt_app) |
Monitoring | CoreTemp+ZALMAN ZM-MFC2 |
FAN Controller | ZALMAN ZM-MFC2 |
CPU FAN | XINRUILIAN RDH1225NMB24 |
Chassis | Thermaltake V9 VJ40001W2ZA |
Room Temp | 19-20℃ (intake temperature) |

テスト結果の前に、クーラーの取り付け手順を。

バックプレート。
Thermolabのロゴのある方がマザーボード側になります。

付属のパッドがシールになっているので、
バックプレートのロゴのある方(マザー側)に貼り付けます。
LGA1366はこの手順は不要です。

付属の長いねじを裏側から入れ、ワッシャ(これもシール)を入れます。
バックプレートの穴はただの穴ではなく、ネジ切り加工されているので抜けません。

ヒートシンク本体に、付属の金具を装着します。
また、バックプレート側、本体の金具側、両方のねじをしっかり締めてしまうと、
クーラー本体取り付け時に穴があわないことがあるので、
どちらかを緩めにして遊びを作った方がいいと思います。
うちは本体側金具を緩めにして遊びを作りました。

マザー裏側からバックプレートを当てます。

最後にグリスを塗布してクーラー本体を装着し、ねじを締めて固定します。
ねじは手で締めるようになっています。
これについては、ドライバーでも締められるようにしてほしかったですね。
あと、当たりがあるのかないのか分からないので、
締めすぎない程度のところで止めましたw

取り付けはこれで完了です。

周辺のコンデンサ等への干渉もなく、
EP45-UD3Rとのマッチングは全く問題ありません。

上下(上方排気)方向への装着も問題なしです。
メモリへの干渉等もありません。


ファンを装着するとこんな感じです。

今回、ファンはやや下にずらして装着しました。
ヒートシンクの下を風が抜けることで、周辺冷却にいいことがあればと。

と。
ここで小問題発生。
ほんの少しですが、サイドパネルに干渉します…orz
しかし、干渉するとはいえ、サイドパネルが付けられないほどではありません。
というわけで、強引に装着w
BARAMは全高160mmなのですが、V9はこれを越えるクーラーは取り付け不可、
もしくは難しいと思われます。
Ultra-120 eXtremeは全高160.5mm…OKかも…ですが、厳しいかもしれません。
さて、ここからはテスト結果です。
テストの方法は、OCCTでシバきながらログ(グラフ)を取りつつ、
バックグラウンドでBOINCを走らせています。テストは20分です。
これにファンコンを使い、2040/1500/1200/1020rpmの4パターンを測定。
また、BARAMの測定パターンはこの4種に加え、
通常のサイドフロー、デュアルファン、上方排気の3パターン、
合計12パターン測定しました。
また、サーミスタをメモリのヒートシンク、ノースブリッジのヒートシンク、
さらにVGA/ノースブリッジ/CPUクーラーの3点を結んだ真ん中付近にも設置、
三カ所の温度も測定しました。
なお、ログ取り開始から終了までの時間の流れは下記の通りです。
0分 - OCCTログ取り開始
10秒 - BOINC開始
1分 - OCCTシバキ開始
16分 - OCCTシバキ終了
18分 - BOINC終了
20分 - OCCTログ取り終了
下記掲載グラフは、代表して2040rpmで測定したもので、
かつ、もっとも温度が高いCore #0のものです。

まずはANDY。
室温19~20℃、開始3分で70℃到達です。 夏ならおそらく80℃突破コース?!

BARAM シングルファン。
MAX58℃。 この時点で12℃低下しました。
予想としては5~7℃下がるくらいかと思っていたんですが、
予想以上に温度が下がってくれました。

BARAM デュアルファン。
サイドフロー系クーラーのレビューを行っている他サイトでは、
ファンを2つつけることでさらに温度が下がるパターンが多かったですが、
うちでは逆に温度が上がってしまいました。
ファンの向きの間違いを疑ったんですが、そうではなかったようです。
直後にあるケースファンはCPUファンより低い1300rpmなんですが、
この回転数の差で排気が間に合っていないのでしょうかね。
ちなみに、1500rpmでもほとんど変わらないという結果に。

BARAM 上方排気。
サイドフローよりもさらに温度が下がりました。
ANDYと比較して15℃下がりました。
ただし、下がったのはCore #0と#2だけで、他のコアはサイドフロー時と同じ結果に。
しかし、最も高い温度のコアが下がってくれたのは嬉しいですね。

続いて、Core #0を4パターンの回転数でそれぞれを比較してみたグラフです。
アイドル時が全て38℃になっていますが、
気温がどれだけ低くても一定以下の温度は表示しない石ってありますよね。
たぶんCore #0はそっち系だと思いますw
ロード時の温度は、いずれも回転数に応じて変化していますが、
ANDYに比べてBARAMは回転数の差による温度差は少ないですね。
ちなみに前述の通り、上方排気の温度が最も低い結果なのは、Core #0の(ry

ついでに、TripcodeExplorerを20分ほど回してみました。
あと、チップセット(ヒートシンク部)やメモリ、チップセットの周辺温度ですが、負荷時は意外にもBARAMがANDYをほとんどのパターンで下回るという結果になりました。 メモリのヒートシンクは2~4℃、チップセットのヒートシンクは3~5℃、チップセット周辺温度は0~2℃低いという結果に。もしかすると、ANDYの吹きつけた熱い風がいくらかケース内部を循環している可能性があるかもですね。
なお、今回テストを行った全ての結果を
こちらにアップしました。
OpenOffice.orgで作成しています。
ダウンロードしたファイルの拡張子を「.ods」に変更して開いて下さい。
というわけで今回購入したBARAM。
ANDYより10℃以上下がったという結果は非常に満足しています。
また、サイドフローにすることで周辺冷却性能の低下を懸念していたんですが、
予想外の結果でこちらも満足のいくものになりました。
このPCは真夏の無人部屋(冷房なし)でもBOINCを走らせているのですが、
これだとBOINCを回したままでも夏を乗り切れそうな気がします。
※04/28追記
室温20℃にて、CPUクロックを定格3GHz(電圧オート)でシバいてみました。

BOINC

Prime95

Tripcode Explorer
発熱量が大きめのTripcode Explorerでも50℃を超えませんでした。
ケース内部のエアフローがしっかりしている環境なら、
CPUクーラー自体はファンレスでもいけそう…かも?!
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